まずはカラー剤の種類からお話していこうと思います。
ヘアカラー薬剤の種類
ヘアカラー(永久染毛剤)
薬剤のPHがアルカリ性であるためアルカリカラーと言われます。
医薬部外品に分類され、染料が配合されたクリーム状の1剤と、過酸化水素が入った2剤を混ぜて、化学反応を起こしながら髪の毛内部に色素を入れて染めていく方法。
長所としては、しっかりと髪の内部で色素が結合していくので、色持ちが良いのが特徴です。そして髪の毛の色を明るくする場合は、髪の元々の色素を分解し、ベースを明るくするブリーチ効果も同時に行われます。
短所としては、染料にジアミンが使われており、アレルギー反応を起こすことがあります。そのため、市販のカラー剤にはパッチテストを行う様にと説明書きされています。
パッチテストの実施は、法律での決まりは特にないのが現状です。
ブリーチ(脱色剤)
毛髪の中に元々含まれているメラニン色素を分解して、毛髪の色を明るくする時に使用します。ヘアカラー薬剤の中では最も強力な薬剤の1つです。
薬剤はパウダー状の物とクリーム状の2種類あります。過酸化水素を混ぜて化学反応を起こし毛髪内のメラニン色素を分解します。ブリーチ剤にはジアミンは入っていないのでジアミンアレルギーの方に使用しても問題はありません。
ヘアマニキュア(半永久染毛料)
ヘアマニキュアは化粧品登録の分類に分けられている薬剤の一つです。
酸性の性質を持つ薬剤で、酸性染料または酸性カラーとも呼ばれています。
髪の毛の表面に、+イオン、マイナスイオンの結合で吸着し染まる仕組みで、毛の表面にのみ作用します。
*薬剤の長所としては、明るい髪に使用することで、高彩度のヘアカラーをするのに使用されます。また髪の毛の表面をコーティングする作用があるので、髪の毛にツヤ、ハリコシを与えることが出来ます。ほぼかぶれることはない。
*短所としては、毛のメラニン色素を分解する力はないので、髪の毛のトーンアップをすることはできません。また、時間が経つにつれ色が剥がれてしまいます。その際に毛のキューティクルまで一緒に剥がれる事があります。
色持ちに関しては、色味の種類にもよりますが、永久染毛料と比べると多少劣ります。
髪の毛が濡れている状態で服などに触れると色落ちを起こす可能性があるので注意が必要です
使用例としては白髪染めの目的に使われる事が多く、また流行りの彩度の高いヘアカラーが希望の場合に、ブリーチ剤でベースのトーンアップを行ってから、ヘアマニキュアを使用する方法があります。
カラートリートメント類(徐染性染毛料)
化粧品登録の薬剤であり、染料の入ったトリートメントを使用し、何日か連続で使用することで、徐々に色を入れていく方法です。
*長所としては、、ヘアマニキュアと同じで、毛髪表面にコーティングするように染り、髪の毛にツヤを与えます。ほぼかぶれることはない。
*短所としては、一部商品によって違いがありますが、ヘアマニキュアよりは染色効果は薄いと言えます。
一時着色料
化粧品登録の商材であり、カラースプレーや、カラーワックス、ヘアカラーチョークなどの一時的な使用、1日だけヘアカラーを楽しむための商品になります。一回のシャンプーで落ちてしまう染料のことをいいます。カラー剤というより、スタイリング剤に近い使用方法になります。ほぼかぶれることはない。
あなたはどのタイプのカラー剤をお使いですか?わからない場合は信頼できるあなたの美容師さんに確認しておきましょう。🙎🏻♂️☝️✨
次に実際カラーリングをする前に確認する事です。我々美容師側は、まずお客様のカウンセリングと頭の触診して、確認をしてから施術をするのですが、お客様にも事前に自分で確認しておく方がカウンセリングする時にスムーズにいきますので下記の内容に目を通していただくことをお勧めします。👇
カラーリング施術前のセルフチェック
①自身の体調は良好であるか。妊娠中の方は医師の確認が必要。 ☑︎
②頭皮や顔、首筋に腫れ物、傷、皮膚病等がないか。 ☑︎
③これまでにヘアカラーによるかぶれは無かったか。 ☑︎
④ヘアカラー時又は施術後に〔息苦しさ、めまいや気分の悪さ、かゆみ、赤み、腫れ、ブツブツ等〕のトラブルは無かったか。 ☑︎
①〜④に1つでもチェックがある方はヘアカラーの施術を控える事をおすすめします。
次にかぶれとアレルギーについてお話します。
かぶれ(接触皮膚炎)には
アレルギー性と刺激性の2種類がある
●アレルギー性のかぶれとは?
皮膚に付いた化学物質から体を守るための免疫が過剰に反応し、体に障害をもたらすことです。かゆみを感じ、その後に赤み風れプツプツ等の症状が出ます。一度アレルギーになると一生、その物質に触れるたびに症状が出ます。
では自分で見分ける方法ですが、「ムズムズ」などの頭皮、肌のかゆみを感じるとアレルギー性のかぶれの可能性が高いです。
●刺激性のかぶれとは?
皮膚が敏感な方や皮膚に傷があって、皮膚のバリア機能が弱っている方が、皮膚に付いた化学物質によって、赤み痛み等の症状を起こす皮膚炎のことです。その物質に触れても、皮膚の状態によって症状が出たり出なかったりします。
見分け方としては「ヒリヒリ」、「チクチク」、「ジンジン」、「しみる」等
の頭皮、肌の痛みを感じると可能性が高いです。
では「かゆみ」、「痛み」を感じたことのある方はどのようにしてカラーを楽しめば良いのかと言うお話に進みます。
「今まで」および「前回」のヘアカラーで頭皮に違和感を感じたことのある方
↓ ↓
施術後もかゆみが続く 施術中に痛みを感じる
↓ ↓
今回のヘアカラーの施術はできません。 今回のヘアカラーの施術には
※ヘアマニキュア等をお勧めください。 以下の点をご注意ください。
※皮膚科医の受診、検査をお勧めください。 ※施術前にご自身の頭皮状態、体調
を知る。
皮膚科医受診 ※頭皮につけないよう、塗付、施術をし
( パッチテスト) て貰えるように美容師に確認してく
ださい。
| ※カラー中や次のカラー時に痛み、かゆ
| み、刺激感、違和感等はないか注意
| してください。
|
↓
⚪︎皮膚科医受診パッチテスト陽性の場合
今回だけでなく以降のへアカラーの施術はできません。
ヘアマニキュアや酸化染料無配合のカラーリング剤をおすすめします。
⚫︎皮膚科医受診パッチテスト陰性の場合
ヘアカラーの施術は可能です。但し、頭皮状態や体調をよく確認し、ヘアカラーしてください。次回のカラー時にも痛み、違和等に注意しておきましょう。
ヘアカラーによるアレルギーには、即時型と遅延型がある。
即時型アレルギーとは
ヘアカラーの最中もしくは直後に症状が現れ始めます。
症例《息苦しさ、めまい、気分の悪さ、強いかゆみ、発赤、蕁麻疹等の皮膚異常》
遅延型アレルギーとは
ヘアカラー後48時間後くらいの症状が最もひどくなります。
症例《かゆみ、赤み、腫れ、ブツブツなどの皮膚異常》
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